9月19日深更、ついに参院本会議で、主要野党の強い抵抗にもかかわらず「安全保障関連法案」が採決となり、自公を中心とした賛成多数で可決されました。

　この間、国会周辺や全国各地、さらにはネット上で示された市民や学生たちの熱く広範な反対の声を黙殺し、次々に明らかにされた重大な問題点に対して真摯に答えようともしないまま、数のみを頼んだ政府・与党が、大多数の憲法学者が違憲と断じたこの法律を強硬に成立させたことに、強い憤りの念を禁じ得ません。

　従来、この種の反対運動は、対象となった法律の成立とともに急速に退潮してゆくのが常でした。しかし、戦後七十年、日本国憲法の平和主義と民主主義によって維持されてきたこの国のすがたを一変させる恐れが高く、日本の海外での戦争参加につながるこの法律に対しては、たとえ成立を見たとしても、それによって意気阻喪することなく、また、いつもの「健忘症」に陥ることもなく、廃止に向けてあくまで抗議と反対の声を上げ続けてゆくことが強く求められます。この数カ月間、全国で草の根から湧き起った反対運動の大きな渦を思うと、この動きは、予想される「違憲訴訟」への支持・支援、来夏の参院選や次回の衆院選で政権与党に対して鉄槌を下すための取り組みに向けて、確実に「切れ目なく」連鎖してゆくことになるでしょう。

　私たちが始めた署名の呼掛けも、「廃止」を見据えた息の長い取り組みのための足場として、またこの法制によって危機に瀕している平和主義、立憲主義、民主主義を死守する運動の一環として、今後も継続していきます。

2015年9月22日